残クレは本当にお得?|仕組み・デメリット・損をしないための基礎知識
ディーラーで新車を見ていると、こう言われたことはありませんか。
「残クレなら、アルファードでも月々3万円台で乗れますよ」
月々の支払いだけ見ると「え、それなら買えるかも」と思ってしまう。でも、ちょっと待ってください。
残クレの仕組みは、知っている人にはお得に見えることもありますが、よくわからないまま契約すると、気づかないうちに数十万円多く払っていることがあります。
この記事では、三重県伊賀市で30年間、車の整備・販売をしてきた私たちが、できるだけわかりやすく残クレの仕組みを説明します。難しい金融用語は使いません。「結局、損なの?得なの?」がわかるように書きました。
残クレって何? — まずは仕組みをかんたんに
残クレ(残価設定型クレジット)を一言でいうと、こういう仕組みです。
「車の値段の一部を”後回し”にして、残りを分割で払う」
たとえば、500万円のアルファードを買うとします。
- ディーラーが「5年後にこの車は250万円の価値がある」と予想する(残価率50%)
- その250万円を”後回し”にして、残りの250万円ぶんを5年間の分割で払う
- 5年後に「車を返す」「250万円を払って自分のものにする」「次の新車に乗り換える」のどれかを選ぶ
月々の支払いは250万円ぶんの元金だけなので、普通に500万円をローンで払うより安く見える。これが残クレの「月々が安い」カラクリです。
ここまでは「なんだ、いい仕組みじゃん」と思うかもしれません。でも、ここからが大事です。
落とし穴その1: 「後回し」にした分にも手数料がかかっている
残クレで一番見落とされるポイントがここです。
普通、お金を借りたら「借りた額」に対して手数料(金利)がかかりますよね。残クレでも同じです。でも、ここが厄介で——
残クレの手数料は「車の値段まるごと」にかかります。
さっきのアルファードの例でいうと、月々払っているのは250万円ぶんの元金。でも手数料は500万円まるごとにかかっている。つまり、「後回し」にしている250万円にも、毎月ずっと手数料を払い続けているのです。
これがどういう違いになるか、アルファード(500万円)を例に見てみましょう。
残クレの場合(5年、実質年率4.9%の場合)
- 月々の支払い: 約57,000円(安く見える)
- 5年間で払う手数料の合計: 約92万円
- ※5年後に車を返却するか、別途250万円を払って自分のものにする
普通のカーローンの場合(5年、実質年率3%の場合)
- 月々の支払い: 約90,000円(高く見える)
- 5年間で払う手数料の合計: 約40万円
- ※完済すれば車は自分のもの
※手数料率はメーカー・時期・キャンペーンによって変わります。残クレは3〜7%程度、カーローンは2〜4%程度が目安です。
月々は残クレの方が安い。でも、手数料だけで約52万円も多く払っている。しかも残クレの場合、5年後にまだ250万円の支払いが残っています。
スマホの分割払いで「実質0円」と言われて買ったけど、よく見たら通信料に上乗せされていた……というのに似ています。見えにくいところでお金がかかっている構造です。
落とし穴その2: 5年間、自分の車じゃない
残クレで乗っている間、車検証の「所有者」欄にはあなたの名前ではなく、ディーラーや信販会社の名前が入っています。
つまり、毎月お金を払っているけれど、法律的にはまだ「借りている」状態です。
これが何を意味するかというと——
- 自分の好きなタイミングで売れない
- パーツを替えたり、自分好みにカスタマイズしにくい(返却時に元に戻せと言われる)
- 急にお金が必要になっても、車を現金化できない
「自分の車なのに、自分の車じゃない」。この違和感は、乗り始めてから気づく方が多いです。
落とし穴その3: 返すときに「追加料金」が発生することがある
残クレには、ほぼ必ず以下の条件がついています。
- 走行距離の上限(月1,000km〜1,500kmなど)
- 大きな傷・へこみがないこと
- 改造していないこと
これらを超えると、5年後に車を返すとき追加でお金を請求されることがあります。
ここが、伊賀市に住んでいる方にとって特にネックです。
月1,000km制限だと年間12,000km。でも伊賀市から名阪国道を使って津・四日市方面や奈良方面に通勤している方は、片道30〜50km。往復で60〜100km。月20日通勤したら、それだけで月1,200〜2,000km。あっという間に超えてしまいます。
しかも伊賀の生活では、砂利道や狭い農道を走ることもあります。小さな飛び石傷やこすり傷がつきやすい。こうした傷も返却時に「マイナス査定」の対象になります。
都会で電車通勤、週末だけ車に乗るという人には合うかもしれません。でも伊賀市で毎日車に乗る人にとっては、かなり窮屈な条件です。
残クレに向いている人・向かない人
残クレが「絶対に悪い」わけではありません。
向いている人
- 3〜5年ごとに必ず最新の車に乗り換えたい
- 走行距離が少ない(年間5,000km以下)
- 傷がつかない環境で使う
- 仕組みとリスクを理解した上で選んでいる
向かない人
- 通勤距離が長い(伊賀市では多くの方が該当)
- 1台をできるだけ長く大事に乗りたい
- 車を自分好みにいじりたい
- 「月々が安いから」だけで選ぼうとしている
ちょっと考えてみてほしい話 —「もう1台買えたかも?」
ここで、ちょっとした思考実験をしてみましょう。
Aさん: アルファードを残クレで5年ごとに乗り換え(10年間)
- 1回目: 500万円のアルファードを残クレ → 月々約57,000円 × 60ヶ月 = 約342万円(返却)
- 2回目: また新型アルファードを残クレ → 同じく約342万円(返却)
- 10年間の合計: 約684万円(どちらも最後は返却。手元に車は残らない)
Bさん: 先代アルファード(30系)を中古で購入(10年間)
- 1台目: 先代アルファード(30系後期・走行5万km程度)約300万円で購入 → 整備しながら10年乗る
- 10年間の合計: 約300万円(自分の車。10年後も整備次第でまだ乗れる)
差額は約384万円。
384万円あったら何ができるでしょうか。家族で海外旅行に行ける。子どもの教育費に回せる。あるいは——軽自動車がもう2〜3台買える金額です。
「でも先代モデルでしょ?」と思うかもしれません。でも30系アルファードは室内の広さも乗り心地も十分に高級。最新の40系と並べなければ、まず違いはわかりません。
もちろん、残クレのAさんは「常に最新型に乗れる」メリットがあります。でもその代わりに384万円多く払い、手元に車は残らない。この差額を知った上で選ぶか、知らずに選ぶかが大きな分かれ道です。
パソコンに例えると、わかりやすいかも
「残クレで常に新車に乗る」というのは、パソコンをリースで常に最新機種に入れ替えているのに似ています。
- 常に新しいモデルに乗れる(使える)
- でも毎月のリース料がずっとかかる
- 手元に資産は残らない
- トータルで見ると買い取るより高くつく
一方、中古車を購入するのは、型落ちのパソコンを安く買って長く使うのと同じ感覚です。
- 最新モデルではないけど、性能は十分
- 自分のものなので自由に使える
- 壊れたらパーツを交換して直せる
- トータルコストは圧倒的に安い
「常に最新じゃなきゃ嫌だ」という人には前者が合うかもしれません。でも、**「ちゃんと使えればOK。その分のお金は別のことに使いたい」**という人には、後者の方が賢い選択です。
当店が提案する「賢い車の買い方」
「型落ち」の中古車は、実はコスパ最強
車は新車で買った瞬間から値段が下がり始めます。特に最初の3〜5年で大きく下がり、そこから先はゆるやかになる。値下がりした後のタイミングで買うのが、もっとも賢い選択です。
ただし、アルファードは少し特殊です。現行の40系アルファードは人気が非常に高く、中古でも新車に近い価格で取引されています。「最新モデルじゃなきゃ」というこだわりがなければ、先代(30系)を狙うのが圧倒的にお得です。
先代アルファード(30系後期)の場合——
- 新車時の価格: 約350〜500万円(グレードによる)
- 現在の中古相場(5〜7年落ち・走行5万km程度): 約280〜350万円
- 室内の広さ・乗り心地は現行モデルとほぼ変わらない
しかも自分の車なので、走行距離も傷も気にする必要なし。好きなようにアクセサリーもつけられます。
※アルファードに限らず、多くの車種で先代モデルは大幅に値下がりしています。「1つ前のモデルを選ぶ」だけで、新車の半額以下になることも珍しくありません。
整備工場だから「長く乗れる」
中古車で心配なのは「あとで壊れたらどうしよう」という点。当店は整備工場を併設しているので、ここが強みです。
- 購入前の徹底点検: エンジン・足回り・電装系まで、プロの目でチェックしてからお渡し
- 購入後のメンテナンス: 定期点検・オイル交換・車検まで一貫対応
- 長期的なコスト管理: 「あと何年乗れるか」「次に何を交換すべきか」を計画的にご提案
売って終わりではありません。買った後も安心して乗り続けられる体制があるのが、整備工場併設の車屋の一番のメリットです。
メーカーに縛られないから、本音で選べる
当店はどのメーカーの代理店でもありません。だから、アルファードが合う人にはアルファードを、別の車が合う人にはそちらを正直に提案できます。
「予算は300万円」「家族は4人」「週末にキャンプに行きたい」——そんな条件をお聞きすれば、メーカーの垣根を越えて最適な一台を一緒に探します。
乗り換えるとき——「売る前のひと手間」で買取額アップ
中古車を長く乗って、いずれ乗り換えるとき。ちょっとした傷やへこみがあると、買取査定で大きく減額されることがあります。
当店は板金・塗装も手がけていますので、**「売る前にここだけ直したい」**というご相談も多くいただいています。
- 小さなこすり傷の補修: 修理費用以上に買取額がアップするケースも
- ガラスのウロコ・水垢除去: 第一印象が変わるだけで査定が変わる
- ヘッドライトの黄ばみ除去: 「古く見える」原因No.1を解消
修理代2〜3万円で、買取額が5〜10万円上がることも珍しくありません。「直してから売る」か「そのまま売る」か、どちらが得かのアドバイスもいたします。
まとめ: 大事なのは「仕組みを知ること」
残クレは悪い仕組みではありません。でも——
- 「後回し」にした分にも手数料がかかり、トータルは割高になりやすい
- 走行距離や傷の制限があり、伊賀市の生活スタイルには合いにくい
- 完済するまで自分の車にならない
- 10年で見ると、中古車との差額で軽自動車が2〜3台買えるほどの差が出ることも
「月々が安い」という見た目の数字だけで判断すると、本当の出費が見えなくなります。
ディーラーで残クレを勧められて「本当にこれでいいのかな」と迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。セールストークではなく、整備士としての本音でお話しします。お見積もりだけでも大歓迎です。
レストアショップ友好 三重県伊賀市川合103-15 / TEL: 0595-43-2010 10:00〜19:00(日曜・祝日定休)
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